こんにちは。
「No,ぽた No,Life」 です。
堺市の自転車処ぽたりんぐぅの店長が
自転車について独断と強めの偏見で
自由に語っていくメディアです!
自転車専門の博物館があるのをご存じですか。
大阪府堺市にシマノが運営する
「シマノ自転車博物館」があります。
自転車の歴史を網羅的に体験できる
自転車ファン必見の博物館です!
「シマノ自転車博物館」
シマノ自転車博物館は大阪府堺市にある
サイクリングと自転車の歴史を展示する
自転車についての博物館です。
前編からご覧くださいね!

南海高野線「堺東駅」から徒歩5分。
なかなかの好立地です。
前身は大仙公園内にあった
「自転車博物館サイクルセンター」ですが
展示面積も3.5倍となり
2022年3月にオープンしました!
住所は
〒590-0073 堺市堺区南向陽町2-2-1 です。
入館料は大人 500円(税込み)団体割あり!
学生200円、(高校生、大学生)
中学生以下無料。65歳以上無料とのことです。
堺の歴史も展示してあります。
古墳時代から続く金属加工、
室町以降の鉄砲生産などの
蓄積のおかげで
様々な金属工業が発展したのが堺です。
子供絵画コンクールや
こんな自転車欲しかってんコンテストなど
子供向けのイベントも充実しています。
空間を効果的に使った博物館建築も
ぜひご覧ください。
自転車ラックも設置されており、
スポーツバイクで来館する方も安心ですね!
(さすがシマノ!!)
現代の自転車の進化
前編でご紹介したAゾーンから
一転して開けた明るいスペースの
Bゾーンになります。
前編もどうぞご覧ください。

Bゾーンは現代の自転車の進化について
紹介されているゾーンです。
人々の生活に密着した乗り物
ヨーロッパで自転車がどんどん大衆化して
女性の社会進出の象徴のように
なったのと同様に、
日本でも明治から大正にかけて
国民の間で欠かせない存在になっていきます。
自転車は非常に小さいエリアでの交通を担う
地域性の高い乗り物として発達します。
イギリスの影響を大きく受けた自転車が
広まっていきます。
荷物を運ぶというビジネス面から徐々に
東京、大阪、地方都市に自転車が
広がっていきます。
特に大阪のような平野が大きい都市部では
交通分担率が20%を超えていたそうです。
(全国平均16% 大阪22%)
第二次大戦後、高度経済成長期になると
一般自転車がさらに広まっていき、
価格も手軽になり、
特に女性に広く広まっていきます。
またぎやすく、荷物が載せやすい、
いま私たちが普通に目にする自転車が
急速に広まりだします。
自転車とオートバイはもともと
親和性が高い乗り物ですので中間のような
エンジン付き自転車などが登場し、
原動機付自転車などとして進化していきます、
また子供たちにも多機能の自転車として
変速機やライトなどを装備した
かっこいい自転車も登場してきました。
自転車も様々な機能が追加されていきます。
ブリヂストンとミニのサスペンションの開発者
モールトン博士の共同開発された
BSモールトンと言う自転車も開発されました。
若者を中心にスポーツバイクが流行し、
ドロップハンドルの自転車が徐々に一般化します。
そして、いよいよペダリングをアシストする
電動アシスト自転車が登場します。
あくまでもペダリングをサポートする機構ですので
電動アシスト自転車は電動バイクよりも
構造ははるかに複雑になります。
万人が気軽に自転車に乗り続けられるという点で
電動アシスト自転車が果たしている役割は大きいですね。
スポーツバイクの劇的な進化
ヨーロッパで盛んになっていた自転車レース
(この場合はロードレース)
の要求から様々な変速機が考案されていきます。
多くの方がご存じのとおり、
変速機のギア比の範囲が広いほど
設定が多いほど、レースシーンでは
大きなアドバンテージになります。
シマノも「DuraAce」を携えて
ヨーロッパのレースシーンで研鑽を重ねます。
この流れが、いま私たちが手にする
様々なグレードの変速機の技術に
つながっていますね。
高速度域での最大の障壁は「空気抵抗」です。
シマノもコンポーネントとして空力に
挑戦していました。
デュラエースaxというシリーズです。
前面投影面積をできるだけ小さくする事と、
空気の流れをスムーズにすることを念頭に
1980年代前後から壮絶な技術開発が
繰り広げられていました。
最高速度を極める動きも同時に起こります。
様々な手段で最高記録を求める挑戦が
繰り返されました。
特に競技特性上、単独走行時の空力性能が
重要な要素になるトライアスロンでは
特に空力性能が進化しています。
障碍者スポーツとしても自転車は注目されており
様々なメーカーが協力して選手のサポートを
展開しています。
最新のスポーツバイクは非常鬼多くの部品で
構成される精密機械になっています。
あらためてこうやって眺めてみると
感慨深いものがありますね。
旅する自転車・MTBの登場・様々なカテゴリー
レースと並行して広がってきたのは
旅をするための自転車でした。
自転車と旅の相性は非常に良いと言われます。
自分の力で見知らぬ景色を見に行く、
これは自転車で遊ぶ根源的な衝動
なのかもしれません。
自転車に荷物を積むことは簡単ではないです。
多くの荷物を積み込むのにはそれなりの
装備が用意されている必要があります。
どこまで行くのか、何を持っていくのか、
必要とされる要素は様々です。
カジュアルに学校へ通うとか、
ピクニックへ出かけるとかと言う
自転車もあれば、
何か月も旅に出るような冒険者向けの
自転車まで様々な表情があります。
また、1970年代後半の
アメリカ・カリフォルニアで
山道を自転車で走り遊びだした人々が
現れました。
これがMTB(マウンテンバイク)のはじまり
と言われています。
ビーチクルーザーやBMXなど
新しいカルチャーがアメリカで生まれてきたのは
面白い流れですね。
それ以外にも様々な自転車が作り出されていきました
リカンベントや折りたたみ自転車、分割式など
個性的な自転車が次々に考え出され、
非常に自由で多様性のある乗り物になりました。
ハンドサイクルなどハンディキャップのある方々が
もっと自由に楽しめるような「自転車」も
登場しています。
あらゆる人が自由に風を感じて楽しめる。
ドライジーネから200年。
乗り物としてあらゆる人々が楽しめる
稀有な「乗り物」として進化してきた
「自転車」の歴史が網羅的に
楽しめる展示ですね。
これからの自転車 ハードの進化とソフトのこれから
シマノと言えば言わずと知れた
自転車機材のトップメーカー。
コンポーネントと言われる変速機を中心とした
グループは自転車ファンの注目の的です。
MTB系の最新コンポを実際に操作して体感できます。
ロードバイクのコンポーネントの体験も可能です。
これからの時代主流になっていくであろうe-bikeの
コンポーネントも体感できるように展示されています。
自転車を語るうえでやはり外せないのが
フレームの素材のお話。
クロムモリブデン鋼、アルミ、チタン、カーボン
など様々な素材も説明とともに展示されています。
特にカーボンを用いた最新ロードバイクの「軽さ」も
実際に持ち上げて体験できるように
工夫した展示がされています。
今回、ご案内いただいた学芸員の神保さんは
「散走」と言うコンセプトの提唱者です。
散歩するようにのんびりと自転車で
街を楽しんで走る。
速く遠くと言う自転車の追い求めてきたものを
あえて取り除いて
無理なく、背伸びせずにいつもの街を楽しむ。
「OVE」というプロジェクトから
大阪のグランフロントにある
「シマノスクェア」へそのコンセプトは
引き継がれています。
最後はこれからの自転車の在り方を考える
パネル展示でフロアが終わっているのが
印象的です。
まとめ。自転車の役割はさらに多様化し、人に寄り添う乗り物に。
前後編通して、自転車の歴史を
博物館展示からみてきました。
前半では自転車としての機能、技術、
生産体制、販売体制が整うまでの歴史。
後半は、整った技術や環境から
さらに自転車が多様化していく様子が
分かりやすく見て取れます。
鉄道や自動車、バイクなどに
交通機能としての優位性は奪われつつも
新たな存在価値を作り出す現代の自転車の
あり方が見えてきますね。
より細かく人々に寄り添える、
そして新しい価値を生み出していける、
そんな可能性がまだまだ秘められている乗り物が
自転車ですね。
自転車処ぽたりんぐぅのコンセプトとも重なる
部分があります。
子供から大人まで楽しめる内容になっていますので
あなたもぜひ足を運んでみてくださいね!!
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