実用自転車ってご存知でしょうか?
少し年配の方は郵便屋さんや豆腐屋さんなどの仕事用の自転車です。
今の自転車と似てる部分もあり、違う部分もあり見た目にも興味深い自転車です。
頑丈で安定感抜群なのですが変速がない車両が多いのがタマにキズ。
そんな実用車を利便性もアップさせつつ街乗り自転車として復活。
大阪府堺市のJR阪和線「堺市」駅前の
ミニベロやカスタムが得意な
ポタリング(自転車散歩)プロショップ
「自転車処ぽたりんぐぅ」が
12年以上のポタリングPROショップ経験と
大小1000件以上のカスタム経験の中から詳しくお伝えしていきます。
最強のママチャリ!実用自転車をさらにパワーアップ!
自動車が今ほど普及する以前は事業用として大活躍していた「実用自転車」
耐久性、強度、安定感、もろもろ、非常によくできた街乗り自転車です。
現行モデルではパナソニックの「ジュピター」などがあります。
無骨なデザインが好きだという愛好家の方も多くいらっしゃいます。
ひとつ物足りないとすれば、変速機がないというところ。
やはりこぎ出しの重さ、坂道ののぼりなど少しギア比が変えられれば便利になる局面が多くあります。
変速機、特に内装変速機を導入するメリットと、導入実例をご紹介していきます!
内装変速機のメリット

内装変速機 画像の引用元:シマノHP
一般自転車(ママチャリ)にも多く採用される内装3段変速。
あなたも馴染みがあるかもしれませんね。
ここで内装変速機のいいところをおさらいしてみましょう。
停車時にも変速可能
変速機の種類にはロードバイクなどに採用される外装変速機と内装変速機があります。

画像の引用元:ブリヂストンサイクルHP
今回は内装変速機に限ってお話しします。
わかりやすいメリットのひとつは
「停車時にも変速ができる」
と言うことです。
信号待ちでギアを下げて再スタートしたりと言うことも可能になります。
変速機が一番活躍する局面が「発進時」ですので、
非常に合理的なシステムだと言えると思います。
変速機についてほかの記事もどうぞ

内装5段変速にはちょうど「いい塩梅」がある。
具体的なメリットとは少し違いますが、
内装変速機を導入するには5段変速をおすすめします。
理由はいろいろあるのですが以下の図の通りです。
ギア比とは
「ペダル(クランク)を一回転させたときにタイヤは何回転するか」
と言うことです。
数字が少ないほどこぎ味は軽くなり、回転数は減ります。
数字が大きいほどこぎ味は重くなり、回転数は上がります。
あなたが実際に変速機を使ったことがあれば、もしかしたら次のような感覚を感じたことがあるかもしれません。
「重くしたら重すぎるし、軽くしたら軽すぎて、ちょうど良いギアがなくて・・・」
特にママチャリの3段変速はこの傾向が大きいため、内装5段変速でその「スキマ」を埋めてやることができます。
こちらの記事でも導入事例がご覧いただけます。


耐久性が高く、自転車の構造がシンプルになる
内装変速機はその構造がハブの内部に収められています。
そうすることで汚れや外部からの衝撃から守られ比較的損傷が少ない点があります。

画像の引用元:シマノHP
自転車の構造はシンプルになりますが内部構造はいたって複雑です。
実は非常に歴史の古いシステムで1900年代初頭にはイギリスで製品化されていました。
その後さまざまな開発が進み、ギアの構造や変速システムなどが改良され軽快で耐久性の高い変速機が完成しました。
内部は複雑ですが、自転車の見た目はシンプルになりディレイラーを必要としないためチェーンの脱落などはかなり抑えることが可能です。
自転車だけじゃないですが。
ウェルビー号 内装5段変速化
今回ご相談いただいたのは非常に年季の入った実用自転車。「ウェルビー号」
大阪の自転車ブランド、「ウェルビー」の代表的な自転車です。現在のウェルビーは…寂しい限りですが。
ロッドブレーキに気づかれたあなたはお好きなクチですね。
まずは各部のメンテナンスと点検を。
ベアリングの状態も悪くなく、洗浄してグリスアップしてやれば軽快に動きます。
チェーンリング(前のギア)もスプロケット(後ろのギア)大きいことに気づくでしょうか?
ギア比は現在のママチャリと大差ないと思いますがギアは今の自転車よりもはるかに大きなものを使っています。
恐らく、重量物を運んだりすることも多かったためトルクを分散させる狙いがあったのでしょう。
ギアが小さいと瞬間的にかかる力が、少ない「歯」に集中してしまい消耗が激しくなります。
チェーンも含めて耐久性の向上を狙ったんだと思われます。
クランクの形状も少し違っています。
クランクからナットが出ているのが見えますが、「コッターピン」という固定用のピンが入っています。
軸受けなどの固定に使われる構造ですが自転車のクランクも昔はこのような方法で固定されていました。
その名残で今でもクランクの取り付け方式を「コッタレス」(スクエアテーパ)と言ったりします。
今回一番工夫が必要だったところはブレーキ周辺でした。
ロッド式(ワイヤーの代わりに金属の棒(ロッド)でブレーキ操作をします。)のブレーキシステムで
現行のローラーブレーキを動かすことでした。
事前に引き代を確認するとほぼ同じですでしたのでサンプルのホイルを使いテストしたらしっかりと止まれそうでした。
調整にはコツがいりますが、時々ロッド式のブレーキの修理もあるので同じ要領です。
心配していたチェーンケースの加工の必要もなくすんなり収まってくれて一安心です。
実用車の特徴でもある、いかにもヘビーユース対応のスタンド!
新聞配達の車などでは今も現役で見られますね。
バネがなくなっていたので交換しておきました。見た目もかっこいいですね。
さらにいい味が出て活躍しているようです!!!
古い自転車もまだまだ活躍できる可能性を秘めていますね!
まとめ。内装ギアは街乗りに必要な要素が満載!
変速機は、その自転車の性格を決定づける大きな要素です。
外装変速、内装変速それぞれに発展してきた歴史があり、
それぞれに得意分野があります。
どちらが優れているとか、劣っているとかと言う低次元な話ではなく
双方の性格を正しく把握して自分に合った変速方法を持った自転車を選ぶのがいいでしょう。
もちろん、「変速無し」(1x1、シングルギア)も立派な選択肢ですね!
内装変速機の導入にご興味を持っていただけましたらお気軽にご相談ください!!!
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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