「街乗りを楽しむコンセプトのミニベロとinter11の相性は最高です」
内装変速機ってママチャリのイメージですね。
内装変速機は3速~11速(シマノは。)まである用途の広い変速システムです。
内装変速機を付けるとどんな風になるの?
内装変速のメリットデメリットは?
そんな疑問を
大阪府堺市のJR阪和線「堺市」駅前の
ミニベロやカスタムが得意な
ポタリング(自転車散歩)プロショップ
「自転車処ぽたりんぐぅ」が
12年以上のポタリングPROショップ経験と
大小1000件以上のカスタム経験の中から詳しくお伝えしていきます。
内装変速機ってなに?
内装変速機と聞くと、「ママチャリについてる3段のアレね~」ってなる方も多いですよね。
実は内装変速機の歴史は非常に古く100年以上前には実用化されていたそうです。
NITTOのハンドルにもある「ノースロードバー」は、イギリスで内装3段変速全盛時代に流行ったものです。
「ノースロードサイクリングクラブ」からとったもので、内装3段にノースロードバーで走る自転車が大流行したそうです。
脱線しました!!(汗
内装変速機

画像の引用元:ブリヂストンサイクル HP
上の写真(左)のようにギアが外側にむき出しのものを「外装変速機」。
上の写真(右)のようにハブの内部に変速構造が収まっているものを「内装変速機」と言います。
ママチャリに使われるものは「3段変速」が圧倒的に多いです。
中には「内装5段変速」、「内装7段変速」、「内装8段変速」もあります。
シマノが展開するスポーツ自転車向けの内装変速システム「アルフィーネ」は「内装11段変速」も存在しています。

画像の引用元:シマノ HP
海外に目を向けるとドイツのローロフ社の「スピードハブ」は内装14段変速なんてものもあります。

画像の引用元:MCインターナショナル HP
興味ある方はお問い合わせくださいね。

内装変速機のメリット
内装変速機も一種の機材ですので万能的なものでなく向き不向きを見定めて使いましょう。
内装変速機の一般的なメリットをご紹介!!
・停車時に変速できる
外装変速機でNGなのが停車時の変速動作です。
内装変速機の大きなメリットは停車時に変速が可能と言うことです。
例えば信号待ちで軽いギアに入れかえて、さっそうとスタートしてみたりなんてことも可能ですね!
・スムーズな変速性能
現在の内装変速機は自動車のトランスミッションのような仕組みで、非常に精密な内部構造を持っています。

画像の引用元:シマノ HP
非常に高精度で作られた工業製品で安定したトルク伝達とスムーズな変速性能を実感できます。
・高耐久性
非常に精密活、高強度の部材で構成された内装変速機は耐久性も高いです。
シンプルで軽量に作られているけれど、むき出しで外部の影響を受けやすい外装変速機に比べ
格段に耐久性が高くなっています。
オイルアップなどメンテナンスを行ってやれば非常に長く使い続けることも可能です。
・シンプルにまとまる。
フレームの構造にもよりますが、トラックエンドやエキセントリックBBを採用したモデルでは
チェーンのテンションをディレイラーに依存しなくても済むため
リアのエンド周辺をシンプルにまとめることができます。
今回ご紹介する「キャノンデール フーリガン」もシンプルなドライブトレインです。
・狙ったギアレンジを再現しやすい。
これはちょっとマニアックかもしれませんが。
スポーツ系の内装ギアはそれ自体でも300%~400%程度のギア比の幅を持っています。
これはフロントダブルのロードやクロスバイク並みのギア比の幅があるということになります。
そのうえフロントのチェーンリングとリアのスプロケットのギア比を調整することで
自分が欲しいギア比周辺を的確に再現することが可能です。
コレは次項でも詳しくご説明しますね。
内装変速機のデメリット
では反対に内装変速機のデメリットはどのようなものがあるでしょうか?
・重い。
内装変速機は前項の図でもわかるように内部にみっちりとギアが詰め込まれており、
持つとずっしりと重いです。
極端に重量を気にするような場合は注意が必要ですね。
・回転抵抗が大きい
これは走りのフィーリングにけっこ大きくかかわってきます。
内部構造の複雑さは、回転部品の接触面を増やすことになり機械抵抗は必然的に大きくなります。
その影響は走行時の「伸び」に大きな影響を与えます。
ホイルの慣性力で伸びを得にくいミニベロの場合ロングライド主体の自転車には注意が必要です。
・値段が高い
と言われるのですが、これは考え方しだいかと。
内装8段変速の場合、外装8段変速を導入するのと比べれば正直割高感はあると思います。
但し11段の場合は2022年現在 シマノでは105以上のグレードですのでトータルでの割高感は特にないと思います。
むしろ、生産体制の影響による在庫状況の方が問題になるときが多いかもしれませんね。
ポタリング系ミニベロとinter11が相性いい理由
街乗りを楽しむ「ポタリング系ミニベロ」とALFINEは相性が抜群。特にinter11はある意味理想的なコンポ。
その理由をご紹介します。
ストップアンドゴーに完璧に対応!!
内装変速機の最大のメリット「停車中の変速が可能」を最大限に活かしてポタリングを楽しめます。
信号待ちや曲がり角が多い街中のシチュエーションでは、とっさに停車することも多いですね。
事前にギアを戻せていればいいですけど・・・。
inter11ならかなりの重いギアを踏んでいたあとでも、好みのローギアまで止まったまんまで一瞬でシフトダウンが可能です。
ワイドなギアレシオでシンプルな車両カスタムが可能
最近多い「シングルスピード」の自転車。
最大の弱点は変速機がない事。シンプルさを取るか機能性を取るか悩ましい問題ですねぇ。
ALFINE inter11をカスタムして導入してやるとフロントダブルの自転車並みのギア比の選択肢を
シングルスピードのシンプルなフレームに搭載可能です。
フロントダブルでリアはとりあえず何段かの変速機がついた自転車についての解説です。
ミニベロやクロスバイクにも応用できるようにギア比をタイヤの回転数で表現しています。
ペダルを一回転させたときにタイヤは何回転するのかと言う表現ですが
一番重いギアの組み合わせ(アウタートップ)で およそ4.54回転/ペダル一回転
一番軽いギアの組み合わせ(インナーロー)でおよそ1.12回転/ペダル一回転
となります。
続いて、内装11段変速 inter11 ALFINE の場合。
フロントダブルの自転車と同じギアレシオを獲得しようと思うと上の図のような感じになります。
フロントチェーンリング 44T x リアスプロケット 20T の組み合わせに対して、
内装11段ハブの最小ギア比から、最大ギア比までの関係を示した図です。
シンプルなスタイルは極力残したまま、フロントダブルのスポーツバイク並みの走破性が実現できることになります。
フロントチェーンリングの極端な大径化は不要
ミニベロはタイヤが小さいゆえ小径車と言われることもあります。
タイヤの小ささ故、
クロスバイクやロードバイクなどと同じギア比の設定をしてしまうとスピードが出ないという問題があります。
ネットなどを検索していると極端に大きなチェーンリングを搭載したミニベロを見かけるかもしれません。
フロントを大径化してギア比を獲得するために、あんな極端なチェーンリングを選択する必要があるわけです。
inter11 ALFINE のワイドレンジのギア比を活用するともっとシンプルにミニベロの高速化も可能です。
上の図では フロントチェーンリング 50T x リアスプロケット 16T と言う標準的な構成で、
トップのギア比は 6.71回転/ペダル1回転 の高回転を可能にしています。
標準的なギア比でこれだけのアドバンテージが獲得できるということは、
高価なハイギアのチェーンリングを購入しなくても標準品の流用などコストダウンが可能になります。
勿論、ハイギアのチェーンリングと組み合わせればもっと高い回転数も実現できますが、
自転車の乗りやすさはスペックだけで決めるものではないのです。
肝心の「あなた自身」がペダルを回しやすい現実的なギア比が求められることも忘れないでくださいね。
内装ハブらしからぬ「回転性能」
inter11のアルフィーネのハブは内装ハブの中では突出した回転性能を実現しています。
ハイエンドのロード用ハブや外装変速用のハブの回転性能と比べると酷になりますが、
内装11段変速のメリットを享受しつつ、あれだけの回転性能を実現しているとなるとポタリングには非常にありがたいですね!
実は重量も内装8段のinter8 ALFINE 並みに抑えられているのです。

キャノンデール「フーリガン」内装11速 ポタリングスペシャル
今回はキャノンデールの名車 「フーリガン」 をカスタムさせていただきました。
しばらく乗っていなかった車両ですが、今回再び自転車を乗り始めたいとのご希望で
この際、気になるところを改善するカスタムをご依頼いただきました。
全体的にうまくまとまっているフーリガンですが、スピード感は正直いまいちと感じられる方が多いです。
変速機も内装3段変速で適切なギア比が選びづらいという声も、ご相談で多いですね。
最初はインチアップもお考えだったオーナーさんですが、リムやタイヤの選択肢が減ることと、
カスタム費用のコストパフォーマンスが悪くなることで断念し、シュワルベの「ビッグアップル」を採用していただきました。
タイヤ外周を大きくする効果と、エアボリュームによるクッション性のアップで相乗効果になりますね。
今回はギザプロダクツの22.2Φのブルホーンバーを採用しシフターを流用できるように。
シマノ互換のSTIレバーなどもありますが、今回はこのスタイルです。
限られた予算の中で最大限にオーナーさんのイメージを実現するために「優先順位」を整理することが大切です。
今回のテーマの一つ「シマノ アルフィーネ inter11」です。
もう十分語ってきましたので、何も言うまい。笑
センターロック規格のディスクローターが装着できるのでディスクブレーキ車への導入もしやすくなりますね。
ブレーキキャリパーは「Juin Tech」をチョイス。
油圧ディスクは性能的に安定感があって便利ですがブレーキレバーなど選択肢も狭いので
ワイヤーとハイドロ―リックの良いところどりのこのキャリパーは重宝しますね。
カラーバリエーションが多いのもありがたいところです!!
スピード感、操作性、クッション性、デザイン性、いろんなものが上手いことバランスできたと思います!
自分で褒めときます!!
街を走ることが何倍も楽しくなる自転車カスタムになりましたね!
まとめ。ポタリングバイクと割り切るなら「最適解」
自転車は様々な用途があります。
人それぞれの遊び方にあったカスタムを提案させていただくのがショップの仕事だと思います。
今回はオーナーさんのイメージが明確でしたのでご提案もドンピシャリとはまった気がします。
勿論、内装8段変速でもいいし、人によっては内装5段変速の方がいい場合だって考えられます。
パーツの性格やオーナーさんのイメージ、予算など見極めて効果を最大化できる提案が大切になりますね!
最後までお読みいただき
誠にありがとうございました。
内装変速機やブルホーンハンドル、ポタリングが楽しくなる自転車のお問い合わせお待ちしております!
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